北村夏歩さん

農作業をする北村さん

子どもの頃の楽しい記憶が後押し。

ビニールハウスが何棟も立ち並ぶ広い敷地の中、大きなお屋敷の前で出迎えてくれたのは、農家の後継ぎ北村さん。まだ初々しさが残る20代。現在、祖父と二人三脚でイチジクと菊の花の栽培を行っている。

跡継ぎがいなかった実家の農業を継ぐことになったのは、子どもの頃、祖父の手伝いをした時の心地よい記憶が、忘れられなかったからだという。大学生の頃、周りとともに就職活動をする中で、祖父の仕事姿や手伝いの時の気持ちよさを思い出し、就職を選ばずに農業への道を決意した。

収穫をする北村さん

女性ならではの視点と気転。

取材を受ける北村さん

イチジクの出荷はお盆にピークを迎え、その頃になると早朝4時から作業を始める。主に道の駅など、直売のみで販売している。最近では、長浜のパフェを扱う店舗への出荷や、菊の花を仏花としてだけではなく、日常に取り入れてもらうように工夫をするなど、若い女性ならではの視点で新たな販路を模索しているという。辛いことも多いが、直売所への出荷は反応がダイレクトに伝わり、特にリピーターさんから声を掛けられることが何より嬉しいと話す。

感じて、考えて。

孫娘が跡を継ぐことになり喜んでいる祖父からは、いつも「目を離さずに常にどうすれば良いかを考えろ」とアドバイスされるそうだ。天候に左右される農業は毎年同じことをしていてはダメ。まだまだ未熟だけど、自然を肌で感じながら仕事ができるのが楽しいと話してくれた。

収穫をする北村さん

広がる輪。

ビニルハウスを掃除する北村さん

忙しい時期には人手が足りないのが最大の悩み。農業はやりがいのある仕事。米原は温かい人が多く、やりたい事を人に話すと、どんどん輪が広がってゆくから面白い。コツコツと細かい作業ができて、植物の成長を見守ることが好きな人と一緒に働きたいと話してくれた。

北村夏歩さん

北村夏歩さん

イントロ
お祖父さんと二人三脚でイチジクと菊の花の栽培を行う農業女子。北村夏歩さんが育てたイチジクや菊は、道の駅「近江母の郷」などで販売されている。
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文/写真

びわ湖の素編集部

びわ湖の素編集部は、ディレクター/デザイナー/カメラマン/ライターなどで構成されるクリエイティブチーム。自分たちが楽しいと感じ、人に伝えたいと感じることを大切にして、米原の魅力を発見し、体験し、発信しています。また、一緒に編集してくれる仲間を随時募集しています。