山に惚れる。

山あいの集落

山のまち。

山らしい美しいフォルムの伊吹山と、鈴鹿山脈北端に位置する霊仙山。雪解け水や雨水を地中深くに豊かにたくわえ、時間をかけて、深く無垢の山奥で冷たく澄んだ水として正しいリズムを刻み生成する。人が生活し遊び集う山の入り口を越え、清流を叶える深い森の奥「ケモノの世界」へ分け入れば、静寂が身を包み、冷たく凛とした空気が肌をさし、心や身体を内からキレイに洗い流す。「水のまち」と称される米原、水の流れを遡れば「山のまち」であると感じさせてくれる。

三島池から見える伊吹山

美しい、伊吹山。

新幹線の車窓からも眺めることができる日本百名山の一つに数えられる伊吹山は、一目で心を奪う美しい山容をほこる。市の北東部岐阜県との県境に位置する滋賀県最高峰、標高1,377mの伊吹山。今からおそよ三億年前に海底火山として誕生したとされ、古くは日本最古の書物「古事記」や「日本書紀」に登場している。山の神の化身である「白猪」として、はたまた「大蛇」として描かれ、古くから山岳信仰の対象となってきた。美しく凛とした佇まいが、古来より日本人の心を魅了し、神の国ニッポンの「神の山」とした。

雪が積もった里山

世界一の雪。

世界一雪が積もったギネス記録をもつ伊吹山。その高さ、11.82m(4階建てのビルの高さ相当/1927.2.14観測)。シベリアからの冷たい風が日本海でたくさんの水蒸気を含んで雪雲になり、それが伊吹山にぶつかってたくさんの雪を降らせます。積雪は年々変動しますが、11月に始まり、2月が最も深くなりおよそ5mとなり、5月にはなくなります。たくさん積もった雪はゆっくり解け出し、川にそそいで、雨が少ない春から梅雨までの水不足を防いでくれます。ごう雪地帯であることもまた、豊かな水のまちを形成しているのです。

ニホンカモシカ

息づく野生動物。

環境省レッドリストに入るイヌワシや、特別天然記念物のニホンカモシカなどが生息する伊吹山。ノウサギやヤマドリを獲物とし食物連鎖のてっぺんに立つイヌワシ。イヌワシが生きていけるのは、エサになる動物がいるということ、エサとなる動物のエサがさらにあるということ。多種多様な野生動物が息づく森だということ。ふもとの森では、キツネやタヌキ、イノシシやシカはもちろん、テンやアナグマ、ニホンザルなどが暮らし、さらに深い山奥の森へ行けば、ニホンカモシカやツキノワグマが生息している。

伊吹山の山野草

伊吹山の山野草。

伊吹山の地理、気候、地質が生みだす豊かな植生は、滋賀県トップ。石灰岩層であること、本州の真ん中に位置すること、冬には日本海から冷たい季節風が吹くことなどから、長い年月をかけ独自の植生を育んできた。好石灰岩植物や北方系の植物、日本海側に分布する植物など多種多様の植生がみられ、その数は約1,300種。コイブキアザミ、イブキコゴメグサなど、イブキと名のつく特産種も生育する。国の天然記念物に指定される山頂の花畑は、春から秋に色とりどりの美しい山野草が咲き乱れる、まさに「天空の楽園」。