川に生かされる。

清流の川面

川が育てるまち。

身体に血がめぐるように、大地を川がめぐる。血液がめぐり身体があたたかくなるように、水がめぐり大地に花が咲く。清流は様々な野生動物たちの命の源となり、豊かな植生と恵を育む。伊吹山の雪解け水で清らかに生成される冷たく澄んだ姉川、霊仙山から染み出す水が形成する天野川、梅花藻が涼しく川面を揺らす地蔵川。どこを切りとっても、澄みわたる川を讃える米原。ケモノも野草もヒトも、川から混じりっけのない営みを与えられている。

夏の姉川

野生の川、姉川。

地球から溢れだす水がつくる姉川。深い森の奥、ケモノだけの世界で静かに生み出される水からはじまる姉川は、動物の、植物の、ヒトの命の源となり、全ての者を凛としなやかに育て上げる。雪深いことも、山が嶮しいことも、この川を形成するためのものだとするのなら、よろこんで受け入れられる。米原の根源を、びわ湖の素を成す大動脈なのだから。

蛍が舞う天野川

星空の川、天野川。

霊仙山に源を発する天野川。川沿いの集落・世継と朝妻に言い伝えられている七夕伝説。天野川と呼ぶようになったのは伝説の所以だとも言われている。夜空に輝く天の川と同じ名をもつこの川の水面には、夏になると星のように輝くホタルが舞い、まるで川が銀河行きのレールになって宇宙旅行に誘っているように感じる。

地蔵川の梅花藻

清流、地蔵川。

醒井の七湧水を源流にする清流、地蔵川。昔から水の清らかな醒井には、七湧水と呼ばれる清水が今もこんこんと湧き出している。ヤマトタケルノミコトが傷を癒したとされる「居醒の清水」をはじめ、「十王水」、「西行水」、「天神水」、「いぼとり水」、「役の行者の斧割水」、「鍾乳水」。地蔵川に息づく、小さく愛らしい「梅花藻」、絶滅が危惧されるトゲウオ科の魚「ハリヨ」はともに清流の証。

遡上するビワマス

甦るビワマス。

琵琶湖固有種であるビワマスは、サケなどと同じように、生まれた河川に戻って産卵するという習性があります。かつては、市内を流れる天野川でも産卵期にはビワマスが遡上していましたが、数十年前から洪水防止や農業用水取水のために、堰堤が次々と整備されたことなどから、徐々にその姿を見ることができなくなっていました。

そこで、市では「天野川カムバックビワサーモン」を合言葉に、平成23 年6月に自然との共生や生物多様性の保全、回復を進めるためのモデル事業として、米原市天野川ビワマス遡上プロジェクトを発足し、それに賛同する市民グループ「米原市ビワマス倶楽部」も立ち上がりました。プロジェクトでは、ビワマスやアユをはじめとした魚が、琵琶湖と河川を行き来できるように、市民とともに魚道を設置したり、市民が自宅の冷蔵庫でペットボトルに入れたビワマスの卵を飼育し、川に放流する取組など、様々な取組を進めています。