新幹線の車窓からも眺めることができる日本百名山の一つに数えられる伊吹山は、一目で心を奪う美しい山容をほこる。市の北東部岐阜県との県境に位置する滋賀県最高峰、標高1,377mの伊吹山。今からおそよ三億年前に海底火山として誕生したとされ、古くは日本最古の書物「古事記」や「日本書紀」に登場している。山の神の化身である「白猪」として、はたまた「大蛇」として描かれ、古くから山岳信仰の対象となってきた。美しく凛とした佇まいが、古来より日本人の心を魅了し、神の国ニッポンの「神の山」とした。
世界一雪が積もったギネス記録をもつ伊吹山。その高さ、11.82m(4階建てのビルの高さ相当/1927年2月14観測)。シベリアからの冷たい風が日本海でたくさんの水蒸気を含んで雪雲になり、それが伊吹山にぶつかってたくさんの雪を降らせます。積雪は年々変動しますが、11月に始まり、2月が最も深くなりおよそ5mとなり、5月にはなくなります。たくさん積もった雪はゆっくり解け出し、川にそそいで、雨が少ない春から梅雨までの水不足を防いでくれます。ごう雪地帯であることもまた、豊かな水のまちを形成しているのです。