「介護って楽しいですよ!」と笑顔で話す「ひだまり」の理事長永田さん。どんな困難な障害でも、持ち前のバイタリティと明るさでヒョイっと乗り越えそうなエネルギー溢れる素敵な女性。職員の方々も永田さんの熱意と情熱に魅了され、新しい介護の可能性に希望を感じて働いているように感じた。
2019年に糸賀一雄記念未来賞を受賞され、社会的に高齢化が深刻になる中、永田さんの理念は全国から注目されている。「制度ありきではなく、現場のニーズに合わせて行動を起こす。」これが彼女のモットー。お年寄りだって愛するペットと暮らしたい、施設と家族の間の壁を取り払い、深夜でもいつでも会いたい時に会えるようにする。普通に考えれば当たり前のことが、斬新だと捉えられてしまう現代の介護の現場。「ひだまり」は、そこに一石を投じ、実現に向けて動きだしている。
看護師時代、退院したお年寄りはその後どんな生活を送っているのか?というご家族を心配するような思いから、医学医療の場ではなく生活の場を作りたいと、30歳の頃、空き家を改修し、地域に密着したデイサービスをはじめた。様々な困難に立ち向かいながらも、地域に出向き困りごとを探しては、一つ一つ解決策を考えてきた。
人手不足の介護職。もっとたくさんの方に仲間として来てもらいたい。資格の無い方、シングルマザーの方など、どなたにでも扉を開けて待っている。今後、仕事をしながら資格を取得できるようなプランをまとめ、衣食住の保証やワークライフバランスの重視など、より一層働きやすい環境づくりに取り組みたいとのこと。
永田さんの思いは、常に地域と呼吸しながら耳を傾けることで、高齢者が希望をもって生きる道を照らしている。米原から全国へとその理念が広がりつつある。