子どもたちのクリスマス会でたまたま顔を合わせたママ友が、入園の準備が始まるまでにリユースマーケットを開催しようと思いつきスタートした「HALO harmony」。サイズアウトした子ども服や靴をリユースして、次の使い手さんへバトンをつないでいる。子どもの成長は嬉しいけど、直ぐに着られなくなってしまう服や靴。これを循環させていきたいという実感から始まった取り組み。ちなみに、HALOは太陽の周りに現れる虹の環のことで、HALO harmonyは自然と人とが “調和の取れたひとつらなりの円” であることを感じる活動をしたいという想いで名づけられた。
ハロハモによるリユースマーケットの活動は、3月に春夏の衣服、5月に夏の水遊び用品やおもちゃ、9月に秋冬の衣服の、年3回を予定している。そして、2023年3月初旬に初めての試みを行なった。いぶき認定こども園で、回収を行なったところ30袋ほどの衣服やオムツなどが集まり、提供してくださった方には、リユース引換券を渡すようにした。雪が降る中の回収となったが「本当に助かります!」「家の片付けができました」「こんなのあると良いなと思っていたんです!」など、あたたかい言葉を掛けてもらったという。
集まったリユース品は一枚ずつチェックして、穴の空いたスボンや、シミ汚れのある衣服には、ダーニング刺繍や、ポケットを施すなどしてリペアした。SDGsを掲げるハロハモらしいアイデアだ。お直しの作業はミシンや裁縫が得意なシニアの方々に協力を依頼し、アドバイスや手ほどきをしていただいているという。メンバーの田中さんは元手芸部。今度はお直しだけでなく、本格的なリメイクのデザインもして行きたいと意気込んでいる。楽しみながらマイナスをプラスにして、提供していただいた家庭も、譲り受けた家庭も笑顔になるように心がけている。
無料コーナーの衣服を入れる段ボールの装飾では、子どもたちが活躍した。使わないカレンダーの裏にみんなでお絵描きをしたり、手形を押したりしたものをママさんたちが段ボールに貼り、可愛らしい箱になった。完成した箱、すぐさま子どもたちのお家になったり、ベッドになったり、車になったりして、ママさんたちは壊れないかとハラハラしていたそうだ。(笑)子どもたちと一緒にマーケットの準備をする時間はとても楽しく、何より子どもたちの目がキラキラと輝き、自分たちも参加しているんだという思いが溢れている。子どもたちがいて思うように進まない作業もそれはそれで笑いに変わる楽しい時間なんですと笑顔で話してくれた。
リユースマーケットは、衣料品を扱うisn’t it designのチャレンジショップ「ヤドカリ」を会場に1週間ほど開催された。開催初日から大盛況となり、初日でほとんどのリユース品が無くなり、必要な家庭へと手渡された。メンバーは少しでも見やすいようにと、サイズごとに分けたり、コーディネートしてディスプレイしたりするなど工夫を凝らした。値段表示にもひとアイデア加えた。黄色は100円、赤は300円など、ビニールテープで色分けでした。「子どもたちも折り紙で飾り付けをしたり、値段表を画用紙にカラフルな色を使って描いてくれたりして、大活躍だったんです。」と、ママたちは嬉しそうに話してくれた。
訪れたお客さんから「次はいつですか?」「またやってください!」「家にたくさんあるので後で持ってきても良いですか?」などの声が寄せられた。開催中にも多くのリユース品が集まったことで、最終日まで商品が不足することは無かったという。さらに、残った衣服は、社協さんを通して生活困窮者の方への手助けとなるように寄贈された。残ったものを渡すのは嫌だったので、少しでも可愛くなるようにと、サイズごとに分けてタッピングしたという。
今後は夏に向けて、おもちゃと、プールや浮き輪など水遊び用品を中心としたマーケットを開催する予定。いつかリペアやリメイクした洋服で、子どもたちによるハロハモコレクションを企画できたらと夢を語ってくれた。リユースした服やリペアを施した服を着ていることがカッコいいという価値観を生み出し、ものを大切にする精神を育てたいと話してくれた。