びわ湖にほど近い場所にモノトーンな外観で落ち着いた雰囲気を醸し出す素敵な居場所がある。ここは農機具倉庫をリノベーションしてオープンしたカフェ兼子ども食堂。名前は「Take-Liaison(テイク・リエゾン)」。「Liaison」はフランス語で‘‘つながり‘‘・‘‘結びつき‘‘・‘‘連携‘‘を意味している。オーナーのお名前は理恵さん。昔からお菓子作りが好きだったという理恵さん。ケーキ作りの腕前はパティシエ顔負け。カフェは不登校の子どもたちに気軽に訪れ来てもらうための最初の1歩として2019年にスタートした。
2007年に農機具倉庫の1階をお茶飲み場としてリフォーム。ある日、友人のために焼いたケーキの匂いに誘われて隣の公園で遊んでいた男の子がやってきた。喫茶店と間違えたのか「ぼくオレンジジュース!」と注文したそうだ。そのあと男の子の友達もが「いい匂いがする!」とやってきたので、理恵さんはそのケーキを振る舞ったそう。その日以来、農機具倉庫にあかりがつくと、子どもたちが走ってやってくるようになり、いつかやりたいと思っていた居場所作りを始めようと思ったという。
まるで絵本のような偶然が理恵さんの人生の転機となった。2024年4月に子ども食堂が100回目を迎え、記念ハンバーグを作るなどして賑わった。今では多い時には120人ものお客さんが来るようになり、子ども100円。大人300円でおいしい手作りごはんが食べられる。地域の方々が見守りや調理場などを手伝ってくれるなど、みんなから愛される場所となっている。
2階は中央にあるソファを取り囲むように、絵本が並べられ、ほっこりとする居心地の良いくつろぎの空間。絵本の棚は子どもたちが作ってくれたと嬉しそうに語る理恵さん。カフェの営業日には理恵さんお手製のケーキと、理恵さんのお母さん特製のドリンクを注文できる。このカフェの売り上げは子ども食堂のために使われるため、「利用することは寄付をすること」につながるハートフルなシステム。カフェと子ども食堂のほかにも、水彩画教室、ストリートピアノ、麻雀など、この元農機具倉庫には地域みんなの‘‘楽しい‘‘が詰まっている。
子どもの保護者家族が仕事などの理由で不在となった場合に子どもを預かることを「トワイライトステイ」という。リエゾンでもその取り組みが始まった。市役所や学校と連携しながら、孤立を強いられているなどの声かけが必要な子どもたちを預かっている。トワイライトステイの日は一緒に食事をしたあと、お風呂に入って帰るという。
『ぼくを支えてくれている人たち』という夏休みの作文に「私の町にはリエゾンがある」と書いてくれたり、大きくなったら「リエゾンを手伝いたい」と言ってくれる子どもたちもいるという。子どもたちにとって理恵さんはいつも見守ってくれる‘‘地域のお母さん‘‘となっている。
大津から嫁いでこられた理恵さんが地蔵盆にはじめて参加した時、その盛大さとご近所の人が子どもたちを名前で呼んでいることに驚いたという。子ども会が無くなるなど自治会が縮小傾向な現代。この土地が大事にしているものを繋いでいきたいと語ってくれた。でも、まだまだつながれていない子どもたちがいることが気がかりだという。「なんの楽しみもないお年寄りや、不登校で一人ぽつんと過ごす子どもがいたら悲しい。私は一人で苦しむ人を作りたくない。だからこのつながり(Liaison)の場所をできる限り開けて、誰もが気軽に来られる空間づくりをしたいです。」と真っ直ぐに語ってくれた。
米原市は「ここに住んで良かった!」って絶対に思ってもらえる場所。「本当にいいところですよ!」って自信を持って言えます。人とのつながりで自分の思いや、やりたいことを達成していける場所なので、ぜひ暮らしてみてくださいね。