お仕事現場紹介② 一人暮らしの食事支援

お好み焼きをつくるシルバーさん

一人暮らしの方の食事支援

楽しく談笑するシルバーさんと発注者さん

一人暮らしの井関さんは、91歳。少し耳が遠くなったとおっしゃるが、とてもしっかりされていて、元気で矍鑠とされている。そんな井関さんは週に2回シルバー人材センターのサービスを利用している。火曜日が食事づくりサービスで、金曜日がお掃除サービス。どちらもシルバー人材センターの的場さんに担当してもらっている。今回は食事サービスを受ける火曜日のお昼時にお邪魔した。

利用者さんの要望に寄り添って

シルバーの的場さんが来ると、楽しそうにおしゃべりとともに食事づくりがスタートする。今日のメニューは井関さんの大好きな「お好み焼き」。食材はいつも井関さんが用意しておくそうで、テーブルには既に、キャベツ、人参、卵、小麦粉など食材が並んでいる。シルバー人材センターでは発注者の要望に寄り添うことを大切にされており、食材調達から食事メニューまで自分でサービス内容を設計できる。その他、作り置きなどにも対応してくれるそうだ。ちなみに、井関さんの場合は、食材は自分で用意して食べたいメニューを的場さんにオーダーするスタイルだという。

野菜を切るシルバーさん

親子のような関係性

お好み焼きの準備をする二人

的場さんがキッチンで食材の下準備している時、井関さんはテーブルの準備をしながらホットプレートでお肉を炒め始める。的場さん曰く「井関さんの食事づくりでは、できる限り一緒につくることを大切にしています。」とのことで、「できることを奪うのではなく、見守りフォローする。」のだと言う。井関さんもそれを喜んでいるようで、的場さんからの指示に「はい!」とテンポよく相槌を打ちながら軽快に共同作業が進んでいく。楽しく談笑しながら食事づくりをしている様子は、本当の親子のような雰囲気で何とも温かい。

おしゃべりが何よりの楽しみ

手際の良い的場さんのおかげで、お好み焼きはあっという間に仕上がった。少し焦げても、それすら二人の楽しい笑い話のタネ。お皿選びも一緒に楽しみながら、今日の夜食べる晩ごはんが完成。その流れのまま的場さんが手早く片付けを済ませ、作業開始から45分ほどでこの日の仕事は終了した。的場さんの仕事ぶりもさることながら、井関さん曰く「来てくれて、おしゃべりできるだけで楽しい。毎週の楽しみでしょうがない。」とのこと。一緒に過ごす時間に価値があるようだ。

お好み焼きが焦げて笑い合う二人

的場さんは、私の家族です。

シルバーさんのことを嬉しく話す発注者さん

サービスを利用するようになったきっかけは、好きな天ぷらを食べたいからだった。高齢者が一人で揚げ物をするはハードルが高く家族も心配するので、シルバーさんにお願いすることにしたそうだ。そこから2年、今では「的場さんは私の家族。」と信頼が厚い。「的場さんはとても器用な人で、微に入り細に入りとにかく気が利いて、とても助かっています」と、井関さんはシルバー人材センターのサービスに大満足されている。

シルバー人材センターの会員の高月さん

米原市シルバー人材センター

概要
米原市シルバー人材センターは、経験と技能を持った元気なシルバーさんが一般家庭を中心に生活をサポートしてくれる支援サービス。現在、800名を超える会員さんが在籍している。
所在地
●米原市西山205番地3
電話
●0749-55-0495
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びわ湖の素編集部は、ディレクター/デザイナー/カメラマン/ライターなどで構成されるクリエイティブチーム。自分たちが楽しいと感じ、人に伝えたいと感じることを大切にして、米原の魅力を発見し、体験し、発信しています。また、一緒に編集してくれる仲間を随時募集しています。